日本経済新聞が主要製品・サービスの2022年の世界シェアを調査した結果、先端材料や電気自動車など18の項目で中国勢がシェアを高めたと報じた。世界経済の40%を占めるアメリカと中国は経済安全保障の観点から保護主義を鮮明にしているが、電気自動車を中心に供給網から中国を排除することはより困難になっているとこの新聞は評価した。
この新聞は世界経済活動で重要な最終製品やサービス、コア部品、材料の63の項目を対象に2022年の主要製品・サービスシェア調査を実施した。アメリカが中国からの依存度を低下させるために連合戦線を展開している半導体関連や、産業構造の変化が進む電気自動車分野などが含まれている。各項目のシェア上位5社を調査した結果、電気自動車やバッテリー材料、液晶パネルなどの18の項目で中国勢のシェアが拡大していると分析した。
全体の中で中国シェアが30%を超えた項目は13に達した。中国企業の上昇傾向が顕著なのは電気自動車関連である。電気自動車本体は上位中国3社の総シェアが27.7%で首位を走るアメリカのテスラ(18.9%)を逆転した。テスラのシェアは3.4ポイント減少し、BYDが6.9%から11.5%で2位に上がった。
電気自動車に使用される重要な材料であるリチウムイオン電池用絶縁体は上位5社のうち4社が中国勢で63%を占めている。2位企業のシェアは11%であり、2021年から急上昇した。BYDは車載用リチウムイオン電池でもシェアを7.7%から14.4%に拡大し、同社を含む中国勢が60%以上のシェアを占めた。
電気自動車供給では中国勢の強さがより明確である。BYDが8月28日に発表した2023年上半期の決算は純利益が前年同期比3倍の109億元と好調を示した。7月にはブラジルに電気自動車工場を建設するとも発表した。中国4位の高深はドイツ工場を2023年中に稼働させる方針を明らかにしている。それだけに中国からの排除は困難になっている。
何よりも中国と対立を深くするアメリカの経済界も対応は一様ではない。アメリカのアップルなどは供給網を中国からインドに分散させる動きがある他、アメリカのベンチャーキャピタル大企業のセコイアキャピタルが6月、中国部門を分離して米中のファンドをそれぞれ独立して運営することを決定した。
一方、2023年5月に訪中したテスラのイーロン・マスクはデカップリングに反対しながら中国市場を拡大すると述べた。
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