有名アイドルA氏をだまして巨額の金銭を横領した放送作家のB氏が、26億ウォン(約2億8000万円)の返済を命じられた。
朝鮮日報が10日報じた内容によると、ソウル南部地方裁判所はB氏に懲役9年を言い渡し、A氏から騙し取った26億ウォンの返済を命じた。
これに先立つ2019年、A氏は2人の女性へのセクハラ疑惑でで立件された。以前からA氏と親交のあったB氏は相談に乗る形で「検察内部にコネがあるから、嫌疑なしの処分にしてやる」としながら、上層部の検事に手渡すためという名目でA氏から16億ウォン(約1億7000万円)を受け取った。しかし、実際にB氏は検察内部との親交がなく、A氏から受け取った金銭を関係者に手渡した事実もなかった。
その後、A氏が嫌疑なしの判決を受けるとB氏は「検事らが処分を覆そうとしている」と再び金銭を要求した。銀行通帳や暗証番号の情報をA氏から引き出しただけでなく、A氏の自宅を担保にして金融機関から借り入れを行うなどして10億ウォン(約1億1000万円)を脅し取った。
それだけでなく、A氏が所持していたブランド品を218点騙し取っていた事実も明らかになった。
B氏は26ヶ月にわたってA氏から総額26億ウォンを搾取し、結果的にA氏はB氏の告訴に乗り出した。A氏は第一審で「精神的に辛い状況でガスライティング(被害者に些細な嫌がらせを行ったり、わざと誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気を疑うよう仕向ける手法)を受け、財産をすべて(B氏に)手渡した」と被害を訴えた。しかし、B氏はこれに対して「A氏に金銭を要求したり実際に受け取った事実はなく、通帳なども本人の承諾を得て管理してあげていた」とし、それぞれの疑惑を否定した。
第一審裁判部はB氏に返済を命じた経緯について「セクハラ事件の当時、A氏はすでに撮影を終えた番組の出演部分がまるごと編集されるといった事態を把握していた。これらの事態が今後の芸能活動に大きな影響を及ぼす可能性から不安を感じ、それによって兼ねてより信頼を置いていたB氏の言葉に騙されたと考える余地がある」とし、「A氏は本件によって一生をかけて築いた財産を失い、厳しく辛い状況の中で暮らしている」と説明した。
B氏と検察側は現在、一審判決を不服として控訴している状況だ。
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